両備ホールディングス株式会社両備トランスポートカンパニー(本部所在地:岡山県岡山市、カンパニー長:荒木一守、以下「当社」)は、三井倉庫ホールディングス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:古賀博文、以下三井倉庫)、フォスター電機株式会社(本社:東京都昭島市、代表取締役社長 CEO:岸和宏、以下フォスター電機)及び岡山土地倉庫株式会社(本社:岡山県岡山市、代表取締役社長:末長一範)の3社と共に、12月4日に国土交通省が発表した「令和5年度グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰」において「特別賞」を受賞しましたのでお知らせします。
<表彰式の様子>
(写真左から)岡山土地倉庫株式会社 営業部 営業企画室 室長代理 槙田 剛之、フォスター電機株式会社 上席執行役員 営業本部長 高原 泰秀、グリーン物流パートナーシップ会議事業推進委員会 委員長 杉山 雅洋、三井倉庫ホールディングス株式会社 執行役員 伊藤 智光、両備ホールディングス株式会社両備トランスポートカンパニー 事業戦略本部 シニアリーダー 関根 勇介
(敬称略)
グリーン物流パートナーシップ優良事業者表彰とは、国土交通省及び経済産業省が、物流分野における環境負荷低減、物流の生産性向上など持続可能な物流スキーム構築の取組みに対して、複数事業者間のパートナーシップによって顕著な功績のあった事業者を表彰する制度です。
本取組みは自動車工場向け部品物流において、検品倉庫・仕出し・仕向け港変更などの国際一貫物流スキームの変更により、物流CO2及びドライバーの拘束時間を削減できた事例です。
従来、フォスター電機はミャンマーのヤンゴン港から名古屋港まで海上輸送を行い、名古屋港で陸揚げされた貨物を三重県伊賀市まで運び、物流センターで検品、通い箱への詰め替えを実施してから、客先である岡山市の自動車工場向けへ部品を納入しておりました。自動車部品物流においては、通い容器を使用した物流となることから、片道270kmの距離であっても、必ず往復輸送が発生し、環境負荷が大きいことやドライバーの拘束時間が長くなることも課題となっておりました。
今回、製品出荷元からの輸送スキームを全面的に見直し、より製造工場に近いティラワ港発神戸向けの船を選択、かつ神戸から内航船に積み替えて、水島港へ輸送し、水島港内の倉庫にてデバン、検品、通い容器詰め替え作業を実施し、客先門前倉庫へ納入するスキームへ変更しました。
このために、客先工場至近の岡山土地倉庫(水島港内)に検品機械ごと移管し、作業員への検品トレーニング等も実施しました。
結果的に、ミャンマー国内、日本国内ともに陸送距離が大幅に縮まったことより、CO2排出量・ドライバー拘束時間の削減を達成しました。
<案件全体図>
本取組みの特徴・物流改善効果は以下となります。
● 地方港の積極的活用による、国内長距離輸送の削減
● 納入頻度アップによる検品納期平準化(現場負荷軽減)
● 国内検品倉庫の変更等、イニシャルコストや品質維持に注意をしつつ、切れ間のない自動車部品物流のスキーム変更に成功
● ミャンマー側工場からの国際一貫輸送全体のCO2排出量把握のため、三井倉庫SustainaLink(*)
サービスによる国際規格(GLEC Framework) ベースでの精緻な物流CO2排出量の把握を実施
● 国際一貫輸送での年間CO2削減効果:61.2t-CO2(34%)減
(うち、日本国内における 年間CO2削減効果:54.7t-CO2(90%)減)
● ドライバー拘束時間削減効果: 1,024時間(80%)減
当社および今回のパートナーである3社は、引き続き脱炭素・災害時の物流継続・2024年問題など社会課題の解決に資する、新たな実物流サービスの開発・提供を推進してまいります。
*SustainaLink(サステナリンク)
物流における環境、労働力、災害にまつわるリスクに対応した三井倉庫グループの提供するパッケージサービス。日系物流企業初の物流CO2算定におけるISO14083:2023に対応したCO2算定サービス等、お客様が抱えるそれぞれの課題に応じた物流リスクの見える化や改善を通じて、サステナブルな物流体制の構築を支援するサービスです。